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「もったいない」で思考停止してない?サンクコストの罠から抜け出す思考法

こんにちは

instagram集客×引き寄せの専門家の田尻紋子です。

サンクコスト(埋没費用)とは?

あなたは「サンクコスト」という言葉を聞いたことはありますか?

日本語では「埋没費用」とも呼ばれ、消費者心理やマーケティングを理解するうえで役に立つ考え方の1つです。

その一方で、私たち女性起業家がビジネスでの意思決定をするときにも、このサンクコストという考え方が大切になってきます。

サンクコストについて知らないままビジネスの決断をしてしまうと、もしかしたら大きな失敗につながってしまうかもしれません。

「もったいない」の感情がミスにつながる

サンクコストを一言で表すなら「もったいない」の精神だと言えます。

たとえば私たちが2000円の映画のチケットを買ったとして、映画の開始10分くらいで「あ、この映画はつまらなそうだな」と感じたとします。

ここで多くの人は、「せっかく2000円払ったんだし、もったいないから最後までみてみよう」と考え、貴重な時間を無駄にします。

ここで言う「2000円」がサンクコストであり、「もったいないから」と時間をさらにムダにしてしまうことがサンクコストの罠なんですね。

もう少し専門的に定義するなら、これからの私たちがどんな意思決定をしたとしても、絶対に回収できないお金のことを指します。

私たちにとっても身近なサンクコスト

こうしたサンクコストは私たちの身の回りにも多く存在しています。

たとえば、家の片付けをしているときに、5年前に10万円で買った高級ブランドのコートが出てきたとしましょう。

もう何年も袖を通しておらず、流行りのファッションともミスマッチしてしまうコートだったとしても、簡単に捨てることができるのは少数派のはず。

なぜなら、「でも、10万円もしたコートだから…」と、過去に支払ったコストが気になって、処分することができないのです。

恋愛でも同じことが言えて、仕事でたまたま知り合った人よりも、お金をかけてマッチングアプリに登録し、仲良くなった異性との付き合いを優先してしまいがちになるんですね。

ビジネスに悪影響を与えるサンクコストの罠

映画や服、恋愛などの意思決定であれば、たとえサンクコストにとらわれてしまったとしてもそれほど大きな影響はないかもしれません。

問題になるのは、ビジネスでの意思決定でサンクコストが影響してしまう場合です。

たとえば、これまでに2回3回と対面で営業してきたお客さんを目の前にすると、「これだけ時間をかけたんだし、買ってくれないと困るな」という心理が働きます。

すると、どうしても商品を押し売りしてしまいがちになり、最終的にはお客さんに逃げられてしまうというケースが起こりうるんですね。

間違った行動を続けてしまう「コンコルド効果」

サンクコストの罠は、別名「コンコルド効果」とも呼ばれます。

コンコルドというのは、イギリスとフランスが開発した高速旅客機「コンコルド」のことを指します。

このコンコルドの開発には、国による莫大な開発費が投入されましたが、開発中に採算が取れないことが判明します。

ところが、「これまでに大量の開発費を注いでいるのだから」と、開発を中止にできずにひたすら費用がかさんでいったんですね。

泥沼にハマってしまう可能性も

サンクコストの罠にハマってしまうと、これまでにかかったお金や時間のことを考えて、正しい選択ができなくなってしまうリスクがあるのです。

これはある意味、過去に縛られてしまっている状態ですね。

しかし私たち女性起業家が目を向けるべきは、これからの未来であり、今現在のビジネスです。

「これまでたくさんお金をかけてしまったけど、勉強代だと思って割り切って、新しいことを始めよう」

そう考えられるマインドセットを持っていなければ、簡単に間違った選択を選んでしまうんですね。

マーケティングでも使われるサンクコスト効果

実はマーケティングの世界でも、サンクコスト効果を利用した商品やサービスが存在します。

こうした事例を知っておくと、売れる商品を作る参考になるかもしれません。

付録付き週刊誌

「デアゴスティーニ」という週刊誌の名前をテレビで聞いたことがある人は多いと思います。

定期的に発売される冊子には、最終号まで集めると完成する付録がついており、1冊目の創刊号は非常に安い価格設定になっていることが特徴です。

この冊子を2〜3回買ってしまった人なら、「ここまでお金を使ったんだし、もったいないから最後まで買い続けよう」という選択をしやすくなります。

実質的には、週刊誌という形で商品を分割払いしてもらうようなイメージですね。

創刊号を含めて一つひとつの価格は安いので購入するハードルは低いですが、10巻100巻と購入してもらうことで、大きな売り上げにつながるんですね。

会員ランク制度

通販サイトを利用すると、利用回数や金額によって会員ランクが上がって優遇サービスが受けられることってありますよね。

これもサンクコストをうまく利用した仕組みで、「せっかく最高ランクになったんだから、もっと買い物しないと」という気持ちにさせるようにできています。

個人でビジネスをやっている女性起業家には真似するのは難しいかもしれませんが、多くの企業が会員ランク制度を利用しているのは、こうした理由があることを知っておきましょう。

サンクコストの罠から抜け出すために

では、私たちがビジネスの場面でサンクコストの罠にかかってしまわないようにするには、どんな対策をやっていけばいいのでしょうか?

今回はサンクコストの罠を回避するのに役立つ2つの考え方について紹介します。

いったん白紙にして、それでも投資するか考える

サンクコストの罠を避けるための最大のコツは、ゼロベースでコストについて考え直すことです。

たとえば、これまでに10時間以上の時間を費やして対応していた、見込みのお客さんがいたとします。

このお客さんに今後も時間やお金を使うべきかを考える際には、「そのお客さんと初対面だったとしても、またゼロから対応するか」と考えるのです。

過去に費やした時間やお金をいったん白紙にして、ゼロからのスタートでも同じ選択するかを考えるということです。

たとえサンクコストがなかったとしても、今の選択を続けるのか、それとも別の選択をするのか。

それをイメージするだけでも、正しく意思決定できる可能性は高まるでしょう。

他人にアドバイスするつもりで考える

「これまでお金や時間を使ってきたビジネスで採算が取れなくなってきたんだけど、どうしたらいいと思う?」

そんなふうに他人からアドバイスを求められたと仮定して、どういう言葉をかけるかを考えてみることもおすすめです。

人は自分のことに対してはどうしても主観が入って正しく決断できないことがありますが、人に対しては的確にアドバイスできることが多くあります。

客観的に自分の置かれた状況を考えてみることで、サンクコストの罠に引っかかることなく決断できるようになります。

おわりに

今回は「サンクコスト」をテーマに、ビジネスでの意思決定についてお伝えしてきました。

ここまで紹介してきた事例と一緒にサンクコストについて覚えておき、ビジネスで正しい選択をし続けられるように目指しましょう。

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